絵かきのルイは 森の丘にくらしています。

外にでると 見たことのない子が かくれていました。

「きみは だれ? ぼくは ルイだよ」

「ぼく ビビット。このちかくで くれよんをおとしたんだけど みなかった?」

 

ビビットは ふらふらしながら 出てきました。

No,1


 

 

「きのうの夜 空からふってきた くれよんかな?」

「ためしに ぼくの ほっぺに この色で ぬってみて」

ルイは 言われるとおり ぬりました。

すると、ビビットの顔色が よくなってきました。

「へー、かおに ぬれるなんて ふしぎな くれよんだな」

「黄色をぬると おなかが いっぱいになるんだ。

宇宙では ご飯を食べなくても このくれよんがあれば 生きていけるんだよ」

 

No,2


 

 

 

 

え――!……て、ことは、ビビットは う、宇宙人?」

 

「うん、そうだよ。 きのう この星を とんでいたら 鳥たちに つつかれて 落ちてしまったんだ」

 

そして、ビビットは 8色のくれよんを 一本ずつ せつめい しました。


No,3

 

 

 

 

ルイは このくれよんで  絵がかけるか ためしてみました。

 

「ふーん。ふつうの くれよんだなー」

No,4


 

 

 

すると、絵のなかの ルイが しゃべりました。

「ビビットと 友だちになれたら おもしろいだろうな~。でも、ぼくは 空を飛べないから やっぱり むりか」

 

それは、ルイが 心のなかで 思っていたことでした。

No,5


 

 

 

「空を 飛べなくても だいじょうぶだよ」

ビビットは ルイをひっぱって 空高く あがっていきました。

 

 

そこに 鳥たちが やってきました。

そして、ビビットを つついて 地面におとしました。

No,6


 

 

 

鳥たちが 近づいてきました。

そして、ビビットに いじわるをいいました。

「おまえは よそものだから 出ていけ!」

 

 

ルイは ビビットが くれよんの説明をしてくれたことを 思いだして、 白と黒を 鳥たちに 見せました。

No,7


 

 

鳥たちは こわがって にげていきました。

 

ルイは 大声で いいました。

 

「ビビットを いじめるな!」

No,8


 

 

 

ビビットは エネルギーがなくなり たおれてしまいました。

「えーと……、こういうときは 何色を ほっぺにぬるんだっけ?」

 

そのようすを 見ていた 鳥たちが でたらめをいって ルイを こまらせます。

ルイは ピンクのくれよんを えらびました。

 

No,9


 

 

 

ビビットは 目があくと とびあがりました。

そして、宇宙のダンスを おどりました。

 

♪~ 

やったね やったね いきかえった

くるくるくるくる 宇宙のダンス

 くるくるくるくる 宇宙のリズム

No,10


 

 

ビビットの ほっぺが オレンジ色にかわって エネルギーが まんたんになりました。

「ぼく、もう 帰らなくっちゃ」

 

ルイは 画用紙にかいた ふたりの絵を わたしました。そして、ビビットは ルイにくれよんをプレゼントしました。

こんどくるとき、もっと すごい くれよんをもってくるよ」

「うん。たのしみだなー。じゃあ、気をつけて かえってね」

 

No,11


 

 

 

 

 

ビビットは 宇宙に かえっていきました。

No,12


『空からおちてきたくれよん』の制作過程や背景など

 画材/画用紙・アクリル絵の具・クレパス。2020年以前に制作した作品です。こんな宇宙人がいたら面白いなと思いながら制作しました。公募に応募した絵本ですがタイトルと文を再構成して掲載しました。下の絵はビビットが暮らす宇宙の国です。